毎日聖書
大学1年生のとき、大学の先輩が福音を伝えてくれて、私はイエス・キリストを信じました。イエスを信じる祈りをした直後、その先輩が毎日聖書を読むことの大切さを伝えてくれました。「毎日1節でも、2節でも大丈夫。1日7分でいいから…。」その話を聞いて「あんな分厚い聖書、毎日読むのは正直、無理。」そのときはこう思いました。
翌日、大学に通学する電車の中で、指定された聖書箇所を読み、先輩がくれたメモに書かれた二つの簡単な質問について考えました。すると新たな気づきがあり、聖書を読むことも楽しく感じました。電車の中で、今学んだことを実践できるように祈りました。
わずか7分間。心落ち着く時間でした。翌日も、翌々日も7分間、電車の中で聖書を読み、質問について考え、祈りました。この毎朝の聖書と祈りの時間が、習慣になりました。
この習慣を、神にささげる時間という意味でディボーション(Daily Devotions)と呼びます。または「静思の時間」「QT」(Quiet Timeの略)と呼ぶ場合もあります。
神は常にあなたの人生に働きかけています。ディボーションは、スポーツの試合の「タイムアウト」のようなものです。今、神がどのように働いているのかを知り、神とともに生きる作戦会議のようなものです。クリスチャン生活のコーチである、イエスの声に耳を傾けましょう。ディボーションの生活の中で、あなたも神の存在を体験できるはずです。
私のクリスチャン人生、今でも喜びと感動があるのは、毎日のディボーションの結果です。ここでは、私なりのディボーションを続ける秘訣をご紹介します。
毎日聖書
それでは早速ですが、ディボーションを始めてみましょう。ディボーションを始めるにあたり、静かで、集中できる場所を選びましょう。家の中の静まれる空間、カフェ、電車の中ではイヤフォンで賛美を聞くなど、集中できる環境を作りましょう。
まず、祈ることから始めましょう。次の詩篇をあなたの祈りとして、神に祈ってみてください。「私の目を開いてください。私が目を留めるようにしてください。あなたのみおしえのうちにある奇しいことに。…あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。」(詩篇119:18, 105)
そして聖書を開きます。1節だけでも構いません。ただ前後の文脈も大切です。10〜20節程度の段落のまとまりで選ぶと良いでしょう。どのように聖書箇所を選べば良いのかは、この記事の最後の提案を参考にしてください。
聖書箇所をゆっくり二回読んで、大まかな内容をつかみます。この過程を ①観察 と呼んでいます。観察した内容を箇条書きでも、メモに書き留めると良いでしょう。
そして観察した内容が、人生にどのような意味があるのかを考えます。これが ②解釈 です。次の二つの質問をすると、解釈が深まります。
1) この聖書箇所で三位一体の神についてわかることは何ですか?
2) この箇所から、人についてわかることは何でしょうか?
最後に学んだ内容をどう今日の生活で実践したら良いのかを考えます。これが生活への ③適用 です。私たちは人のことはよく目につきます。「あの人はこうあるべきだ」「こうするべきだ」と考えるものです。しかし、ディボーションの適用は、あくまでもあなた自身に対するものに集中しましょう。
毎日祈り
聖書から学んだことを今日、どのように実践できるかを祈ります。祈るときに、まず次のプロセスで現在の自分について振りかえりましょう。そして、気づいたことをメモに残しましょう。
1) 感謝をもってこの24時間を振り返ります。
2) この24時間で心や感情が動かされた体験はありましたか?
3) そのとき心に湧いた思いを神に祈りましょう。
4) 今日するべきことのために祈りましょう。
この24時間を振り返る中で思いうかんだことを、先ほどの聖書箇所と結びつけて、考えてみてください。何かつながりがあり、意味あるアクション・ポイントがあれば、メモします。
正直に、聖書箇所と現実に関連性が見えないときも数多くあります。「この聖書箇所が、今の状況に、どう当てはめることができるでしょうか?」と祈ることも適用の一つです。1日の中で、読んだ聖書の意味に気がつくときもあります。
今日1日のスケジュールや「やるべきこと」のリストを書き出しましょう。今日の優先順位を考える上で、先程聖書から学んだ内容を反映させましょう。そして、今日のスケジュール、やるべきことのために祈りましょう。
毎日実践
適用であげたアクション・ポイントを、この24時間のうちに実践しましょう。そのために、適用は具体的で、今日簡単に実行できる小さなことで構いません。できるだけシンプルで、すぐ実行できることを選びましょう。
一番簡単な実践は、ディボーションで学んだことを、だれかに分かち合うことです。SNSでシェアすることも良いでしょう。
だれかに分かち合うとき、私が特に気をつけていることは「相手を教えよう」とは考えないことです。あくまでも、私が学び、実行しようとしていることを分ち合うのです。私自身のディボーションで、相手が何らかの気づきが与えられることを祈りながら、伝えるようにしています。
ぜひ翌日のディボーションのときに、今日実践したことを振り返ってみてください。聖書のことばを実行するときに、神が働きます。神が私たちを通して働く姿を目撃するときに、私たちの神への信頼が深まります。
毎日7分
私の場合は、信じたばかりの頃のディボーションは、文字通り7分間でした。しかし、ディボーションにかける時間は、少しずつ伸びていきました。ディボーションの時間は心落ち着き、なくてはならないひと時になりきました。今では、朝食を食べて1時間、聖書にじっくりと取り組み、自分の心に向き合っています。
しかしときには、早朝から会議が入るときもあります。子どもや家庭のことで、緊急に対処しなければならないことも出てきます。朝寝坊するときもあります。朝にディボーションが持てないことも、しばしばです。それでも1日の隙間時間、または寝る前に、神との時間を持つようにしています。
また1日中、まったく時間が割けず、夜も疲れて、寝落ちしてしまうときもあります。それでも罪悪感を感じないでください。また翌日から始めれば良いのです。
決まった時間、決まった場所である必要はありません。ある人は、昼休みにカフェにこもって、ディボーションをする人もいます。朝の通勤電車で、聖書アプリの聖書朗読を聞き、ディボーションをする人もいます。大切なことは、1日短くても、神とのデートの時間を楽しむことです。
「主のおしえを喜びとし、昼も夜も、そのおしえを口ずさむ人。その人は、流れのほとりに植えられた木。時が来ると実を結び、その葉は枯れず、そのなすことはすべて栄える。」(詩篇1:2,3)
皆さんが、毎日の聖書、お祈り、神のことばを実践する生活の中で、神の存在を体験するを願っています。聖書のことばが、皆さんの人生に実を結ばせ、その葉は枯れず、あなたが行うすべてのことが栄えるようにお祈りいたします。
ディボーションのやり方に関しては、聖書研究『神のことばと新しい人生のはじまり』で学んでください。
毎日のディボーションの習慣を身につけるために、当サイト『神とはじめよう』の聖書通信講座 毎日聖書ヨハネの福音書 を受講してください。毎日7分で読める、聖書からのテキスト・メッセージを42日間 Email で配信します。
また聖書全体からディボーションをするために、キリスト教出版社から出版されている以下の月刊ディボーションガイドもおすすめです。
『リビングライフ』Duranno Japan ツラノ書院
『日ごとに湧く泉』国際弟子訓練院
『日々のみことば』日々のみことば出版委員会
『ディボーションガイド Manna』いのちのことば社
私もそうでしたが、本を読むのは苦手という方は、こちらのサイトで毎日の聖書箇所の動画番組(10分程度)を観ることができます。まずサイト内の聖書箇所を読んで、ご自分で観察・解釈・適用のプロセスで学んでみてください。その上で、その解説として動画メッセージをご覧ください。CGNTV リビングライフ
[著者紹介]原康平(はら こうへい)1975年東京都品川区出身。大学在学中にキリストを信じる。卒業後、出版社勤務を経て、2003年より日本キャンパス・クルセード・フォー・クライストのスタッフとして、大学生に福音を伝える働きに従事する。2017年より大学生伝道部門 Student Impact の全国リーダー。同じくキャンパス・クルセードのスタッフの妻とともに、二児の父として育児奮闘中。