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大宣教命令を成就するには

主イエスは復活されたのち、小さな群れの弟子たちを集め、人類史上最も厳かで壮大な命令を与えました。もしこの集いがなく、この命令が与えられなかったとしたら、どうでしょう。おそらく福音は世界に広がらず、神の愛とゆるしを体験する人は、私やあなたを含め、今日一人として存在しなかったかもしれません。

イエスは近づいて来て、彼らにこう言われた。「わたしには天においても地においても、すべての権威が与えられています。ですから、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。父、子、聖霊の名において彼らにバプテスマを授け、わたしがあなたがたに命じておいた、すべてのことを守るように教えなさい。見よ。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたとともにいます。」※1

このマタイ28章18−20節にある大宣教命令は、これまで人類に与えられたどの計画にも類を見ない最も偉大な計画です。それは歴史上最も偉大なお方によって授けられたものであり、最も偉大な力に関して語られており、最も偉大な約束を伴ったものです。

この大宣教命令に関して、ニュース記事のように「だれ」「なに」「なぜ」「いつ」「どこ」「どのように」の質問に答える形で皆さんにお伝えしようと思います。

「だれ」 大宣教命令はだれが、だれに与えたのか

大宣教命令はイエス・キリストが与えました。イエスは神のひとり子であり、「天においても地においても、すべての権威が与えられている」唯一無二の存在です。イエスの奇跡的な誕生、身代わりの死、それに新しいからだを伴う復活は、神が人となって来られたことの確かな証拠でした。大宣教命令は、このイエスご自身が地上生涯の最後に命じた、非常に重要な命令なのです。

また大宣教命令は、弟子たちをはじめ、すべてのクリスチャンに対して与えられました。直接的には当時の弟子たちに与えられた命令です。

しかし「わたしがあなたがたに命じておいた、すべてのことを守るように教えなさい」とあるように、大宣教命令は弟子から弟子に、世代から世代へと受け継がれていきます。つまり、今日のイエスを信じるすべてのクリスチャンに対して、すなわちあなたに対しても、イエスは語っているのです。

「なに」 大宣教命令とは何か

大宣教命令は、「あらゆる国々で弟子をつくりなさい」というイエスからの命令です※2。「弟子」という言葉には「学ぶ者」という意味があり、「イエスに学び、イエスに従う人々を育てなさい」という命令だと理解できます。

ある国でイエスの弟子たちが育つなら、今度はその弟子たちを通してその国に福音が浸透していきます。さらに次世代の弟子たちが育つと「弟子の倍加※3」が進み、それが何世代にも及ぶことで、福音と福音に生きる人々が広がっていくのです。

あらゆる世代の人々に福音を届けるには、霊的増加(足し算的な働き)よりも、霊的倍加(掛け算的な働き)に注目する必要があります。霊的増加とは、ある人が他の人に次から次へと福音を伝えるだけの働きのことです。

霊的倍加とは、イエスを信じたクリスチャンを他の人たちに福音を伝えることができるよう訓練する働きのことです。霊的倍加については後でもう少し触れますが、イエスは単に福音を伝えることを命じているのではなく、イエスの弟子を育てることで、福音を世界に広げるように命じていることを、いつも心にとめておきましょう。

「なぜ」 なぜ大宣教命令を真剣に受けとめる必要があるのか

現代に生きる私たちが、なぜ大宣教命令を真剣に受けとめる必要があるのでしょうか。少なくとも3つの理由があります。

① イエスが命じた命令だから
私たちが生きている社会では、立場ある人からの命令は、真剣に受けとめられなければなりません。運動競技の監督(コーチ)は競技者にチームの目的や規律を伝えます。もし同意せず従わないのなら、その人はチームの一員としての役割を果たすことはできません。

会社は従業員に「これが就業規則です」と伝えます。もし従わないのなら、その人は会社を辞めることになるでしょう。

私たちクリスチャンに「行って、弟子をつくりなさい」と命令されたのは、教会のかしらである方※4、生ける神の子キリストです。そのことを思うだけでも、あなたが大宣教命令を自分のこととして真剣に受けとめる十分な理由になるのではないでしょうか。

② 人はキリストなしでは失われているから
イエスは「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれも父のみもとに行くことはできません」と言われました※5。これは心が狭い考え方に聞こえるかもしれません。

しかし、神は罪びとである私たちに真実を告げられたのです。聖霊に満たされたペテロは、大胆にこう叫びました。「この方(イエス)以外には、だれによっても救いはありません。天の下でこの御名のほかに、私たちが救われるべき名は人間に与えられていないからです。」※6

③ 聖霊が人々に神への渇きを起こしているから
あるホテルで会った荷物運びのスタッフのことをお話ししましょう。彼は元気がなく、「荷物運びなんて、まったくつまらない仕事ですよ。みんな僕のことを見下しているのですから」と言ってため息をつきました。

私は腕を彼の肩にまわしてこう言いました。「あなたは神に愛されているし、私はあなたの仕事を尊敬します。神の目から見れば、あなたはホテルの経営者に劣らず重要な存在なのです。」

聖霊が彼の心を整えていたので、福音を聞くとすぐに、彼はイエスを罪からの救い主として受け入れました。これはほんの一例にすぎませんが、神に渇き、イエスを受け入れるように整えられている人たちは、現代でも世界の至る所で起こされているのです。あなたの身近なところでも、そのような人たちが福音を待っていることでしょう。

「いつ」 大宣教命令はいつ成就されるのか

大宣教命令は神のご計画であって、いつ、どのような形で成就するのかは、全知全能の神だけがご存じです。けれども、神は人を愛し、ひとりとして滅びることを望んでいません※7。どの時代であっても、その世代のすべての人に福音を届けることは神の願いであると理解することができます。

現代は、訓練されたクリスチャンの働きを通して福音を聞く人もいれば、文書やインターネットなどの媒体を通して福音に触れる人もいます。けれども、少数民族を含むあらゆる人々の中に、その地域を福音で満たすのに十分な数の弟子が起こされるまでは、大宣教命令は成就されないままです。ですから、私たちは霊的増加よりも霊的倍加にもっと関心を持つべきなのです。

大宣教命令が成就するとは、私たちの世代のすべての人が福音に応答するという意味ではありません。福音を聞くことを頑なに拒む人もいます。精神的、身体上の理由で福音を聞けない人もいるからです。

大宣教命令が成就するとは、私たちが祈りをこめ、知恵を尽くし、あらゆる機会を用いて、生きているすべての人に福音を提示し、結果は神におゆだねすることを意味しています。また、福音を聞く大多数が信じるようになるという意味でもありません。少なくとも、福音を一度は聞いて信じる機会が与えられるという意味なのです。

私たち国際キャンパス・クルセード・フォー・クライスト※8 は、世界中の諸教会や諸団体と協力し、どの世代であっても、大宣教命令の成就に向けて最善を尽くしたいと願っています。私たちの世代に大宣教命令が成就されることを願うのならば、あなたにとっても今が、行動を起こすときではないでしょうか。

「どこ」 大宣教命令のため、どこで貢献するべきか

大宣教命令の範囲は全世界です。範囲が広すぎると思うかもしれませんが、主イエスはこのことに関して、現実的な指針を1世紀の弟子たちに与えられました。

「しかし、聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります。」※9

イエスは ①エルサレム②ユダヤとサマリアの全土③地の果て という三つの地理的な領域を弟子たちに示しました。現代の私たちに置き換えてみると、①エルサレム とは私たちの家庭、近隣、大学、職場などのことです。②ユダヤとサマリア全土 とは私たちの地域社会、都道府県、国のことです。③地の果て とは自国を超えた全世界のことです。

私たちは日々の身近な生活の中で、神の愛を伝えることができます。住んでいる地域や国の中で福音のために労することもできるでしょう。また、世界のためには祈り、献金をささげたり、あるいは福音宣教の働き手として実際に出て行くこともできるでしょう。

このようにして、あなたも全世界での大宣教命令の成就に向けて貢献することができるのです。

「どのように」 大宣教命令はどのように成就されるのか

大宣教命令の成就に向けて貢献したいけれど、具体的にはどのようなことから始めたらいいのでしょうか。 目標があっても計画と行動がなければ、それはただの夢です。目標に計画と行動が加わるのならば、夢は実現へと向かいます。何百万人ものクリスチャンが、聖書の約束に基づいた戦略を立て、それを実行することで、この世代における大宣教命令は成就に向かうのです。

テモテの手紙第二 2章2節で、パウロは弟子のテモテに「多くの証人たちの前で私から聞いたことを、ほかの人にも教える力のある信頼できる人たちに委ねなさい」と教えました。

この教えは霊的倍加と言われるもので、国際キャンパス・クルセード・フォー・クライストでは、それぞれの国と地域で霊的倍加の「ムーブメント」が起きることを祈り求めて活動しています。

私たちは特に大学生のような若者たちの可能性に注目しています。これまでも世界中で霊的倍加の「ムーブメント」の鍵となるリーダーが起こされ、大学で、教会で、卒業後もそれぞれの職場や社会で、福音のために、神に豊かに用いられてきました。

日本でも、全国の大学からそのような「鍵となる弟子」がたくさん起こされ、世界が福音で満ちるために、豊かに用いられることを信じています。私たち、日本キャンパス・クルセード・フォー・クライストはそのお手伝いをするために存在しています※11。

行動計画を立てよう

最後に、伝道・弟子づくりの具体的な戦略を立てることに関して、お分かちしたいと思います。具体的な戦略とは、大宣教命令のために、あなたが祈りつつ、慎重に立てる行動計画のことです。

あなたが、だれかに福音を伝え(伝道)、その人がキリストを信じるならば、それは霊的に増加したことになります。

あなたが新しいクリスチャンをイエスの弟子として育て、その人が他の人に福音を伝えるようになり、同じように新しいクリスチャンをイエスの弟子として育てるようになったとします。これは霊的に倍加したことになります。

このような伝道と弟子づくりの連鎖が起きるため、だれのために、何ができるのかをあなた自身が計画し、主イエスに信頼しつつ実行に移すのです。あなた自身の行動計画を立てるにあたり、いくつかの提案があります。

① あなたの心の王座(中心)には、だれが座っていますか。イエスでしょうか。それとも自我でしょうか。まずは自分の心をイエスに明け渡し、聖霊に満たされていることを確認してください。(ローマ12:1-2)

② 神の知恵と導きを祈り求めましょう。(ヤコブ1:5-6)

③ 心に浮かぶ人たちの名前を紙に書き出し、それぞれに対し、どのように関わり、何をしたらよいのかを考えてみましょう。巻末の「伝道とフォローアップの計画表」※11 を参考に書き出してみてもよいでしょう。

④ 行動計画を実現するために学べることは、何でも積極的に学びましょう。キャンパス・クルセードの訓練会、また当サイト「神と始めよう」は、あなたの伝道・弟子づくりが実を結ぶために、よい助けとなるでしょう。

⑤ 福音を積極的に伝えましょう。どのような場合でも、愛をもってこちらからイエスを紹介する姿勢を忘れないでください。

あなたは、このイエスから与えられた厳粛で、壮大な語りかけに、どのように応答しますか。以下の祈りがあなたの心をあらわしているのなら、今、信仰をもって祈りましょう。

「愛する天のお父さま、私は今、私自身をあなたにおささげします。どうぞあなたの御心のままに、私を用いてください。あなたに仕える者としてください。あらゆるところにいる、どのような人に対しても、キリストの愛とゆるしのメッセ―ジを伝えるために、私を用いてください。私をきよめ、力を与え、導きと霊的な知恵を与え、あなたの御名に最高の誉れと栄光を帰する働きを行わせてください。この世代に大宣教命令が成就するために、私が聖霊の力によって、最善を尽くすことができますように。主イエス・キリストの御名によってお祈りいたします。ア―メン。」

[著者紹介]ビル・ブライト(1921-2003年)実業家であり、フラー神学大学院の大学院生であったビル・ブライトは、将来社会を導くリーダーに福音を届けるビジョンをもって、妻のヴォネットとカルフォルニア大学ロサンゼルス校で伝道を開始。このムーブメントが全米、世界各国に広がった。ビルとヴォネットは、国際キャンパス・クルセード・フォー・クライストの創設者であり、長年総裁を務めた。多くの著書、小冊子が多数ある。本稿はビル・ブライト博士のメッセージ “How You Can Help Fulfill the Great Commission”の日本語短縮版である。

脚注:(1) マタイ28:18-20

(2) ギリシア語原文では、「弟子としなさい」が主動詞で、この動詞に「行く」「バプテスマを授ける」「教える」という3つの動詞が分詞でつながっている。

(3) イエスの弟子が乗数倍で倍増することを霊的倍加と呼ぶこともある。
(4) エペソ1:22 (5) ヨハネ14:6 (6) 使徒4:12 (7) ヨハネ3:16, 2ペテロ3:9

(8) 福音サイトStudent in Japan も本サイト「神と始めよう」も日本キャンパス・クルセード・フォー・クライストの大学生部門 Student Impact によって運営されている。このメッセージの著者ビル・ブライト博士が1951年に創設。現在では世界190カ国以上で活動をしている主に大学生を対象にしたキリスト教プロテスタントの宣教団体。

(9) 使徒1:8
(10) 日本キャンパス・クルセード・フォー・クライストの大学生部門 Student Impact の詳しい情報はこちらのサイトから https://www.studentimpact.jp

(11) 伝道とフォローアップ表
以下の内容をノートに書き出してください。

Prayer
①あなたの家族、友だち、同僚のために祈れることはありますか。だれのために、どのように祈れるのかを書き出してください。(霊的増加)
②クリスチャンの友だちのために祈れることはないでしょうか。だれのために、どのように祈れるのかを書き出してください。(霊的倍加)

Care
①あなたの家族、友だち、同僚のために具体的に助けを与え、愛を表す機会はないでしょうか。(霊的増加)
②クリスチャンの友だちに具体的な助けを与え、愛を表す機会はないでしょうか。(霊的倍加)

Share
①あなたの家族、友だち、同僚に福音を伝えるべき人はいるでしょうか。どのように福音を伝えられるでしょうか。Student in Japanで彼らが興味が持ちそうな記事はあるでしょうか。(霊的増加)
https://www.studentinjapan.com

②クリスチャンの友だちとバイブル・スタディを通して、彼らの信仰を助けることはできないでしょうか。(霊的倍加)