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伝道で実を結ぶには

「私は伝道で実を結んでいません。どうしたら良いと思いますか?」私はこのような質問をよく受けます。あなたも同じような問いが、心の中にあるのではないでしょうか。

伝道に関連して、ルカの福音書5章にはとても興味深い記事が書かれています。ある日、漁師であったペテロはいつものように、漁師仲間とともに漁に出かけました。ところが、その日は夜通し網をおろしたにもかかわらず、魚は一匹もかからなかったのです。ペテロたちは舟から降りて、網を洗っていました。そこへ群衆への教えを終えたイエスが近づいてきて、こう言ったのです。「深みに漕ぎ出し、網を下ろして魚を捕りなさい。」 ※1

もちろんペテロは「先生。私たちは夜通し働きましたが、何一つ捕れませんでした」と現状をそのまま伝えました。けれども、続けて「でも、おことばですので、網を下ろしてみましょう」と言って、おそらく半信半疑ではありましたが、ペテロはイエスのことばに従ったのです。

すると何が起きたでしょうか。「...そのとおりにすると、おびただしい数の魚が入り、網が破れそうになった。そこで別の舟にいた仲間の者たちに、助けに来てくれるよう合図した。彼らがやって来て、魚を二艘の舟いっぱいに引き上げたところ、両方とも沈みそうになった。」

大漁の喜びは一晩の疲れを吹き飛ばしたことでしょう。同時にペテロはイエスに対する畏敬の念につつまれました。それを見たイエスは、ペテロにこう言われました。「恐れることはない。今から後、あなたは人間を捕るようになるのです。」こうして、ペテロと仲間の漁師ヤコブとヨハネは、漁師の道を捨て、イエスに付き従うようになったのです。

「イエスさまのことばに従えば人間を捕る漁師になれる。」この日の出来事は、ペテロたちの心にそのような強い印象を残したことでしょう。伝道において実を結ぶためには「イエスのことばに従う」つまり「聖書にある霊的原則に従う」ことが重要なのです。

私は伝道において実を結ぶためには、8つの霊的原則があると考えます。そのうちの4つは「自分を整える」ことに関するもので、ほかの4つは「こちらから行動する」ことに関するものです。以下、それぞれについてお分かちしましょう。

自分を整えるステップ

実を結ぶクリスチャンとなるために、まずは自分を整えることが大切です。以下の4つのステップに注意深く、また祈り心で従うのなら、あなたもイエスを証しする者として整えられます。

1. 救いの確信を持ちましょう

善良で、道徳的で、教会の活動にも忠実に参加していながら、実は神との関係が確かでないという人は意外と多いものです。

以前、ある若い女性が私たちキャンパス・クルセードの専任スタッフに加わりました。私も妻も彼女に好感を持ち、福音のために良い働きをするだろうと確信しました。彼女はクリスチャンホームの出身で、 幼稚園から大学までキリスト教関係の学校で教育を受けました。教会の活動でもリーダー的な存在でした。大きな伝道大会でカウンセラーの役割をしたこともありました。この活動的で魅力的な女性は見るからに、だれもが実を結んでいるクリスチャンだと思ったことでしょう。

新任スタッフの訓練クラスで、私は救いの確信がない「自称クリスチャン」の必要に敏感になるように話しました。「自分の救いを疑っているのに、無理やりその人をクリスチャンだと思い込ませてはいけません。むしろ、彼らはまだクリスチャンではないと仮定して、祈り深くカウンセリングをし、救いの確信が与えられるよう導くべきです。」

私のクラスが終わってから、この若い女性が私のところに来てこう言いました。「私はクリスチャンではないと思います。私はこれまでずっと自分の救いを疑っているのです。」

ここ数年、彼女はこの悩みを何人かの霊的指導者に相談したそうです。しかし彼女に信仰の基礎知識があることがわかると、どの指導者も「大丈夫、あなたはクリスチャンです。心配しないで」と言って、ただ祈ってくれるだけでした。

でもいくら祈ってもらっても、神が彼女の祈りを聞いてくださったと確信が持てません。彼女の悩みは切実でした。「イエスが心にいる感じが全くしないのです。私はキリストなしに死ぬことを恐れています。」

その日、私は、長い間キリスト教の環境で育ったこの若い女性に、エペソ2:8~9から福音を説明しました。「この恵みのゆえに、あなたがたは信仰によって救われたのです。それはあなたがたから出たことではなく、神の賜物です。行いによるのではありません。だれも誇ることのないためです。」

今回は聖霊が彼女に働き、感情ではなく、神と神のことばに信頼するよう彼女を促したようです。彼女は神の愛から出た「恵みの贈り物」であるイエス・キリストを、信仰によって、個人的に受け取りました。彼女の心は喜びと賛美であふれ、すぐに自分の両親や私の妻、友人たちに電話をして、自分が天国に行ける確信が持てたと喜びを伝えたのです。

あなたは自分の救いを確信していますか? イエスに信頼したことで、すべての罪がゆるされ、神の子どもとされ、永遠のいのちが与えられている恵みを、自分のこととして抱きしめているでしょうか。

もしそうでないのなら、小冊子『Knowing God Personally 聖書のエッセンス』の後半部分や『クリスチャンの確信を持つためには』をもう一度復習してみてください。クリスチャンにとって救いの確信を持つことは大切なことです。伝道で実を結ぶためにも、自分自身の救いの確信にしっかりと向き合うことから始めてください。

2. 気づいた罪を告白しましょう

もし何か罪深い態度や行動があなたと神との交わりを妨げているのなら、伝道の妨げとなります。神のひとり子イエスは、私たちの罪の身代わりに十字架で血を流されました。

イエスの十字架は、罪をゆるすための完全ないけにえでした。私たちは、自分の罪がゆるされるために、涙や善行など、そのほかどんないけにえもささげる必要はありません※2。ただイエスの十字架での死が、私たちの人生に意味ある体験となるために、日々、聖霊が気づかせてくれる罪に敏感になり、罪を告白し、神のゆるしときよめを受け取る必要があります※3。

「告白する」という言葉は原語では「同意する」という意味です※4。つまり、罪の告白とは、神があなたに気づかせた罪に同意するということです。

この同意には少なくとも3つのことが含まれます。第一は、あなたの犯した罪が悪いことであり、神を悲しませていることに同意することです。

第二は、イエスの十字架のゆるしは完全であり、神はあなたをすでにゆるしていることに同意します。

そして第三に、悔い改める必要があることに同意することです。「悔い改め※5」とは、聖霊に頼りつつ、その罪に対する態度と行動の変化に向き合うことです。罪から神の方に、方向転換することです。

詩篇66:18には「もしも不義を私が心のうちに見出すなら、主は聞き入れてくださらない」とあります。「自分はいつも正しい、罪などない」という態度は、クリスチャンとしてまったく愚かな態度です※6。聖霊に示される罪を素直に認めないと、神と親しく交わることもできません。実りある伝道のためにも、自分自身の心と生活を見つめなおしてみましょう。

詳しくは「神の愛とゆるしを体験するには」の記事をご覧ください。

3. 聖霊に満たされましょう

自分を整えるための3番目のステップは、聖霊の満たしを確認することです。 クリスチャンの心の王座(中心でおさめる存在)は、自我かイエスかのどちらかが占めています。聖霊に満たされるとは、自我ではなく、イエスに心がおさめられ、導かれることです。 このことは伝道においては特に重要です。自分の力に頼っていては、イエスを証しすることなどできないからです※6。

以前、私の友人のクリスチャン教授が、教会向けの伝道訓練会で体験を話してくれました。彼は自分のクリスチャン生活には喜びがなく、めったにイエスのことを証しなかったことを告白しました。

ところが、聖霊に満たされてイエスのことを分かち合うことを学んでから、転機が訪れました。神が、彼の人生に触れたのです。実際に伝道に出かけた日、彼は二人の学生にイエスのことを分かち合う機会が与えられました。それは彼にとって、今まで経験したことがない喜びでした。この経験を通して、彼はイエスが自分の内で生きていることが、もっと現実的なものになったと分かち合ってくれました。

福音をだれかに分かち合うには、聖霊の満たしが必要不可欠です。日々「神さま、私を聖霊で満たしてください」と信仰をもって祈りましょう。

私たちは、信仰によって聖霊に満たされます。聖霊の満たしを確信するため、聖霊の満たしに関する神の命令(エペソ5:18)と神の約束(1ヨハネ5:14-15)を心に留めましょう。

毎日呼吸をするように、霊的に息を吐き(罪の告白)、霊的に息を吸う(聖霊の満たし)生活を続けましょう。この生活を続けるときに、イエスがあなたを通して生きてくださり、福音を伝える「小さなイエス」として、神はあなたを用いてくださることでしょう。

詳しくは「聖霊に満たされるには」の記事をご覧ください。

4. 福音を伝える備えをしましょう

福音を分かち合うときの一番大切な準備は、イエスに心をおさめてもらうことです。その上で福音の内容を伝える備えも必要です。1ペテロ3:15-16にはこう書かれています。

「…心の中でキリストを主とし、聖なる方としなさい。あなたがたのうちにある希望について説明を求める人には、だれにでも、いつでも弁明できる用意をしていなさい。ただし、柔和な心で、恐れつつ、健全な良心をもって弁明しなさい。そうすれば、キリストにあるあなたがたの善良な生き方をののしっている人たちが、あなたがたを悪く言ったことを恥じるでしょう。」 ※7

何かのスキルを身につけるには、基礎的な教えと練習が必要です。福音(クリスチャンの希望)を説明するスキルを身につけることも同じです。基礎が身につけば、それぞれの文化や状況のなかで、適切に応用することも可能です。

キャンパス・クルセードでは、 個人伝道の訓練会を定期的に開催しています。福音をシンプルにまとめた小冊子『Knowing God Personally 聖書のエッセンス』『豊かな人生のための四つの法則』の使い方を短期間で身につけることができるので、ぜひ積極的にご参加ください。

だれもが特別な伝道の賜物を持っているわけではありませんが、すべてのクリスチャンにイエスを証しする特権が与えられています。聖霊に満たされたクリスチャンが、福音を伝える方法を学ぶと、伝道の働きはより効果的に進んでいきます。

あるクリスチャンは他のクリスチャンより、個人伝道においてより多くの実を結ぶかもしれません。たとえ自分より友だちの方が多くの人をキリストに導いているとしても、落胆しないでください。

大きな視点でみると伝道の実は、チームワークの結実です。だれかが救いに導かれるのは、人の能力によるものではなく、聖霊の働きによるものだからです。安心してイエスにつながり、身近な人たちに福音を伝え続けてください。

具体的な伝道の方法に関しては「イエスを友人に紹介するには」の記事をご覧ください。

こちらから行動する原則

実りある伝道のために「自分を整える」4つのステップについて見てきました。残りの4つの原則は「こちらから」主体的に行動することに関するものです。

5. 祈りましょう

聖書の学びと個人の経験から、私は人々をイエスに導くための出発点は「祈ること」 だと確信しています。聖書には、神のみこころにかなう祈りをするなら、神はその願いを聞いてくださると約束しています※8。

罪びとが救われることを神は何よりも願っています※9。愛する家族や周りにいる友だちの救いのため、まずは祈ることから始めましょう。あるクリスチャンはこう言いました。「神のことを人々に話す前に、人々のことを神に話しなさい。」

人々のことを祈るといっても「すべての人を救ってください」と言うような、おおざっぱな祈りをここでは皆さんに勧めているわけではありません。聖霊があなたの心に思い浮かばせる人のリストを作り、それぞれの必要のために具体的な祈り課題をあげて祈ってみてください。

その人の必要に合う、記事を福音サイト Student in Japan. com から探し、ソーシャル・メディアでURLを送ることも一つの機会かもしれません。メッセージの中で、その人のために祈っていることを伝えてもいいかもしれません。必要があれば、実際に会ったときに、一緒に祈ってあげましょう。

たとえ相手がクリスチャンではなくても、あなたが真摯に祈る態度とことばに、感動を覚えるものです。さらに祈りが答えられ状況に変化が起こったとき、相手は神の愛を体験するはずです。

神はその人たちのことを愛して、喜んで救いに導きたいと願っています。神の愛が彼らの心にも届くように、私たちも愛と信仰をもって祈りましょう。

私たちが救われた背後にも、だれかの祈りがあったことでしょう。ある人は何年、何十年も祈られていたかもしれません。

愛する人のために祈るとき、すぐにでも救われてほしいと願うものです。けれども、神の主権による不思議なタイミングは、私たちの考える計画と同じとは限りません。祈りの答えがすぐに見えないときでも、また私たちの願いと違ったとしても、神の計画は良いものであることを信じて、祈り続けましょう。

祈りに関しては「確信をもって祈るには」の記事をご覧ください。

6. 出て行きましょう

伝道において実を結ばない理由の一つは、こちらから出て行かないことです。「忙しい」「恥ずかしい」「めんどくさい」と福音を伝えることを後回しにする言い訳はいろいろあります。しかしイエスは「行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい」と命じられました※10。人が福音を求めてやってくるのを待つのではなく、こちらから周りの人たちに関わり、主体的に福音を届けることを、神は期待しておられるのです。

とはいっても、自分一人で行動を起こすことは難しいものです。同じ志を持つクリスチャンの仲間と励まし合いながら、生活の優先順位を見つめなおし、福音を分かち合う時間が持てるように、スケジュールを組んでみましょう。

学生の皆さんならば、ゼミや研究室、アルバイト、サークルなどのつながりを考えてみてくださ い。社会人の方ならば、職場のつながり、近所の知り合い、趣味や子どもの学校の関わりを考えてみましょう。聖霊の力に頼り、愛をもって関わるならば、福音を分かち合う機会も与えられるのではないでしょうか。

友だちに福音を伝えて、意見を聞くアポイントを設けてください。たとえば「普段、日曜日は何をしていますか?」と聞いてみてください。必ず相手は、質問をした私たちにも「日曜日に何をしているのか」興味を持つはずです。教会の礼拝に行っていること、クリスチャンであることを自然に伝えることができるはずです。

「クリスチャンにどういうイメージがありますか?」「それは良いイメージですか?悪いイメージですか?」「どうしたら、クリスチャンになれると思いますか?」これらの質問で、相手の関心を探ってみましょう。そしてスマホで Studentinjapan.comの「キリストを信じる」の記事か、小冊子『Knowing God Personally 聖書のエッセンス』を見せて「聖書のポイントを説明して、感想を教えてもらってもいいですか?」と聞いてみます。

福音を切り出すとき、ドキドキするかもしれません。しかし「いいですよ」と答える人は案外と多いものです。実際に友だちから福音を聞いて、クリスチャンになった人も少なくありません。

これらはほんの一例です。大切なことは、身近な人たちに福音を伝えることがあなたの自然なライフワークとなることです。神に信頼し、愛を動機に、祈りと知恵をもって、こちらから出て行きましょう!

7. イエスについて語りましょう

コロサイ1:28をみると、パウロはどこに行っても、耳を傾ける人たちにイエスのことを話していたことがわかります。伝道の中心はイエス・キリストです。イエスがどのような方で、私たちに何をしてくれるのかを伝えたのです。

イエスにフォーカスした会話をするために役立つのが、小冊子『Knowing God Personally 聖書のエッセンス』『四つの法則』「キリストを信じる」のような伝道ツールです。福音をシンプルに分かりやすくまとめているので、このようなツールを用いながら会話を進めるとよいでしょう。

福音を伝えてみると、中にはイエスをすぐに信じるように心が備えられた人がいることがわかります。もともと聖書やキリスト教に、興味を持つ人がいます。キリスト教主義の幼稚園や学校の出身者もいます。友だちにクリスチャンがいる人もいます。クリスチャン作家が書いた本を読んだことがある人もいます。さまざまな形で、すでに神がその人たちの人生に働いておられるのです。

もちろん、すぐに信じない人もいることでしょう。果実は熟した実を摘み取り、まだ青いものはそのままにして熟するときを待ちます。

伝道の収穫も同じです。まだ心の準備ができていない人を、無理やり信じさせようとしてはいけません。口論したり、しつこく付きまとわないように注意しましょう。あなたの周りにいる「ときが熟している人」 を探してみましょう。イエスについて語り続けるなら、きっとそのような人が見つかるはずです。

8. 結果を神に期待しましょう

伝道で実を結ぶための最後の原則は、「結果を神に期待する」ということです。単にプラス思考で考えなさいということではありません。神の愛と真実さ、力と主権、そして聖書にある約束に信頼して、期待しましょう。

「行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい」とイエスが命じたのは、イエスを信じる人たちが世界中から起こされることを、イエスは知っていたからです。イエスは、信じる私たちとともにいて、これから信じる新しい人たちに出会えるように導いてくださるのです。

あるクリスチャンの方は「現代人は神を求めていない」と伝道する前から、あきらめています。しかし、これはとんでもない誤りです。聖霊は、この時代に生きる日本人の心にも、まことの神を求める飢え渇きを起こしています。必要なのは、聖霊に満たされ、イエスの愛を伝え続ける「人」なのです。

あなたも、ここでお話しした8つの原則を実践し、人々にイエスの愛を伝える、喜びに満ちた冒険の旅に出てみませんか? あなたの人生に、救われるたましいの実が結ぶことを期待しつつ、最後に、まとめとして以下のことばを贈りましょう。

「伝道における成功とは、聖霊の力により頼み、こちらからキリストを伝え、結果は神におゆだねすることである。」

著者紹介]ビル・ブライト(1921-2003年)実業家であり、フラー神学大学院の大学院生であったビル・ブライトは、将来社会を導くリーダーに福音を届けるビジョンをもって、妻のヴォネットとカルフォルニア大学ロサンゼルス校で伝道を開始。このムーブメントが全米、世界各国に広がった。ビルとヴォネットは、国際キャンパス・クルセード・フォー・クライストの創設者であり、長年総裁を務めた。多くの著書、小冊子が多数ある。本稿はビル・ブライト博士のメッセージ “How You Can Be a Fruitful Witness” の日本語短縮版である。

脚注:(1) ルカ5:1-11参照 (2) へブル10:10, 12, 14など (3) 1ヨハネ1:9 (4) ホモロゲオー=ホモ(同じ)+ロゲオー(言う) (5) 原語では「考えを変える」とか「向きを変える」という意味のことばが用いられている。(6) 1ヨハネ1:5-10 (7) 1ペテロ3:15-16 (8) 1ヨハネ5:14 (9) 1テモテ2:4, 2ペテロ3:9 (10) マタイ28:19